その 夢に見た水の都は…(part2)
part1から続いて、二日目について記録していこうと思います。
1.起床~探索開始まで
前日早く寝たこともあって、朝5時に目を覚ましたので、あれこれ片づけてから行動開始。朝ごはんまでに2時間ほどあるので、散歩に出かけました。
雨はほとんどやんでいましたが、相変わらずの強風。
しかも、「ちょっと散歩に出るだけ」と思ってスマホも地図も置いていったくせにサン=マルコ広場で日の出を見たい!と欲を出したので、しっかり迷子になりました。
なんとかサンタ=ルチア駅を目指しているらしいおばさんを見つけたのでその後をこっそりとつけ、ホテルに到着。
僕がヨーロッパ旅行で楽しみにしていたことの一つ、朝食のパンとエスプレッソ。
甘くて美味しかった……朝食以降の食事がちゃんと決まっていないこともあって、念のためと食べすぎてしまいました。
2.出発からムラーノまで
前日にローマ広場にて購入した、ヴァポレット一日乗車券(20ユーロ)。結論から言えば、めちゃくちゃ重宝しました。ヴェネツィアの移動手段はこのヴァポレットと徒歩だけなので、分かり切っていたことですが。
まずは駅前のヴァポレット乗り場からローマ広場を経由して、鐘楼にのぼるためにサン=マルコ広場へ。だいたい30分くらいだったでしょうか。
入口に、今日の天気が数か国語で書いてあるのですが、中国語で「極寒強風」と書いてあって笑ってしまいました。エレベーターで上までのぼり、そこから本島が一望できました。絶景かな。広場とは反対側にあるサン=ミケーレ島や、その向こうのムラーノ島も見えました。風が強かったのですぐに降りてしまいましたが、暖かければ上でのんびりするのもよさそうです。
鐘楼といえば『ARIA The OVA ~ARIETTA~』ですね。ちゃんと裏口の写真も撮ってきました。中には入れませんでしたが。
その後徒歩にてコンタリーニ・デル・ボーヴォロ階段へ。
この階段、原作では「アテナがシャボンの国のお姫様としてアリスをもてなす」回の舞台になっており、劇場版ではクライマックスを迎える、ARIAシリーズにとって重要な場所なのですが、2015年の1月末(僕たちが旅行に行く2週間前!)まで、数年間にわたり工事が続いていて、のぼることができなかったのです。
こんなタイミングでのぼれるようになり、しかも当日は僕たち以外ほとんど客がおらず、まさに奇跡! 素敵な景色を独占してしまいました。
ちゃんと最上階からフェニーチェ劇場が見えて、「ここからアテナ先輩が……」と勝手に感動。中庭では猫を見つけることもできて、劇場版2話で猫を探していた、あずさやアーニャの気分。
魚市場に移動する最中、前日に見つけることができなかった、『ド・モーリ』や『ド・スパーデ』を発見(雨が降っていたのと、疲れていたので探索に時間をかけられなかった)。あとで行こう、と場所だけ覚えてそのままスルー。
ほどなくして魚市場のトラゲット乗り場に到着。
ORIGINATION 4話、アトラ、あゆみ、杏の三人組と灯里が出会う場所がここです。
天候不順のためにゴンドラに乗ることができなくなってしまったため、どうしてもゴンドラに乗りたい!という思いもあり、トラゲットに乗って対岸へ。
観光のゴンドラと違い、トラゲットにはみんな立ったまま乗ります。予想以上に揺れて、ちょっと怖かった……。お酒が入った状態じゃ、無理かも。
乗車賃は2ユーロ。通常のゴンドラは80ユーロなので、40分の1。ゴンドラに乗るだけ乗りたい、という方におすすめですね。
そのまま徒歩で「Fondamente Nuove」駅へ。
そこからヴァポレットに揺られてサン=ミケーレ島に到着。
NATURAL 20話で、黒いドレスの女性を乗せて灯里が向かう墓地の島ですね。
観光するような場所でもないので、日本人が二人で降りたら浮くかな……と思っていたのですが、予想以上に人が降りて行きました。中に入ると、まあ墓しかないのですが、年代別に区画が分かれており、最奥では1800年代後半に没した貴族や大物らしき人物たちの墓が……。
カルネヴァーレの時期になると、仮面をつけた霊たちが蘇って――。
みたいな雰囲気がありました。本島が賑やかで活気に満ちていただけに、音もなく、半ば荒らされた墓が並んでいる様子は正直ぞわっとしました。
地理的には本島→サン=ミケーレ島→ムラーノ島と並んでいるので、ここからそのままムラーノ島へと移動。
ムラーノ島といえばヴェネツィアンガラスの名産地ですね。かつて、技術の流出を防ぐために職人たちをこの島へ閉じ込め、代わりに高給を与えたという激しい「アメとムチ」的な法律がありました。
どこもかしこもガラス、ガラス。この頃には天候が回復して上着が要らないほど晴れ渡っていたので、町中に置かれた巨大なガラスのオブジェもきらきらと輝いていました。
そこで家族や友だちへのガラスを購入。かなりお金を使ってしまった……。
120ユーロくらいかな。ここで、旅行の全行程を通して一番お金を使いました。
みんな商売がうまいですね。
ちなみに、ムラーノ島といえばネオ・ヴェネツィアンガラスの話。たしか、NATURALの前半だったと思いますが……記憶が曖昧。
「あなたのネオ・ヴェネツィアンガラスに対する想いが本物だからです」
という台詞を聴くと、この頃にもう灯里は「完成」していたんだな、と思いますね。
3.本島探索後半戦~サンタ=ルチア駅まで
さてさて、いったん荷物を置くために、ムラーノからサンタ=ルチア駅までヴァポレットで戻ってまいりました。その間40分ほど。エンジンの音と、船の揺れがずーーーーっと一定なので、つい眠りに落ちそうになりますが、周りの景色を見てなんとか耐える。
ホテルに戻り、スーツケースにガラスたちを入れて、探索再開。
リアルトの魚市場周辺で、『Do spade』に入る。お昼ご飯です。
ここは、かつて二人の騎士が一人の高級娼婦を巡って決闘をした場所なのだそう。
そこから「二本の剣」を意味する「Do spade」という名前がつけられたとか……。
ハイシーズン時は予約必須のこの場所ですが、5分ほど待つとすんなり入れました。
前日にシーフードが食べられなかったので、僕はボンゴレ・ビアンコ、友人はイカ墨のパスタ、あと前菜に赤ちゃんダコのトマト煮を注文。そしてこれまた店員おすすめの白ワインで乾杯。一人22ユーロ。とても美味しゅうございました。
ヴェネツィアだと、このタコのトマト煮が一番美味しかったかもしれません。
腹ごなしに、アカデミア橋まで歩くことに。
アカデミア橋といえば、ORIGINATION 6話でアリスがアリシアさんとお喋りしている場所ですね。「だって……恥ずかしいじゃない」と笑うアリシアさん。頬を染めるアリシアさんが見られる貴重な話です。
本当に木造でした!
疑っていたわけじゃないけど、傷むのも激しいだろうし……。
そこからサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会へ。ペスト終焉を神に感謝して造られたこの教会は、アリスのミドルスクール卒業式を執り行った教会としても知られています(僕に)。
サルーテ教会は本当に静謐で綺麗だった。行ったとき、ちょうど斜めから僕らに日の光が射し込んできて、なんだか神々しかった(僕らが)。
さてだいたい行きたいところに行ったかな……と、手持ち無沙汰にしていると、
「そうだ! 不幸の石行ってないじゃん!」と思いだす。
急遽歩いて向かうことに。
不幸の石は、観光ガイドにはまず載っていない、というかARIAの聖地巡りでもしないとまず行かない場所(観光スポットでもなんでもないので)。劇場版2話で出てきた場所ですね。位置的にはサン=マルコ広場の北、リアルト橋とフォンダメンテ・ヌォーヴェ駅の中間くらい……。
狭い道に、ありました。踏んできましたよ、ちゃんと。
原作通り「えいやっ」と言いながら。
「踏むと絶対に良くないことが起こる石」ということで、ケット・シーに会うことは叶わないどころか、その夜は人生で一番「限界」を感じる出来事がありました。そのことはヴェネツィア旅行とは関係ないので、わざわざ書きませんが。
いやあ、不幸の石、恐るべし……。
さてさて、一通り聖地巡礼が済んでしまった僕らは、近所のカフェで体制を立て直すことに。ヴェネツィアが発祥であるティラミスを食べ、カフェラテを飲み、再び出発。次なる目的地は、アルセナーレ。
近くのヴァポレット乗り場からサン=マルコ広場へ移動。
そこからスキアヴォーニ河岸を歩いてアルセナーレへと向かいます。
夕陽に沈むサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会、とても綺麗でした。
アルセナーレはイタリア海軍が管理する造船所で、近くには宿舎と思われる建物が多く、喧騒を離れてのんびりとした時が流れる場所です。アルセナーレ自体はARIAには出てきませんが、復活祭の『海との結婚』の際に総督(ドージェ)がのる巨大な船、ブチントーロ(原作の漫画でグランマが乗っていたアレです)を作っています。
ということで、ゆかりがないわけでもない……?
近くのバーカロでスプリッツを飲みながら一時間ほどまったりとしました。
時期が時期なので6時すぎに店じまい。路頭に迷いながら集合時間までふらふら。
そして9時頃、サンタ=ルチア駅へと来ました。
駅にはピアノがあって、誰でも勝手に弾くことができるのですが、せっかくヴェネツィアということで劇場版ポケットモンスター『水の都の護り神』のテーマ曲を弾かせていただきました。
記念にね!
4.まあそんなかんじで
今後は旅もまだまだ続くのですが、ヴェネツィア旅行自体はここでおしまい。
人生初ヴェネツィアは、満足度的に70点(100点満点で)!
というのも、「ゴンドラに乗れなかった」のが痛すぎる。次回は絶対に乗ります。
そして行きたかった場所『ド・モーリ』『アッラルコ』は謎の定休日。定休って言わないか。不定休。ここも絶対に行きたかったので、次回に期待。
それ以外は、調べた通りにことが進み、聖地巡礼もきっちりすべてできたので、大満足。ちょっとだけかじっていったイタリア語も使えて、下準備がいかに重要かということを思い知らされました。ご飯も美味しかったし。
次に行くとしたら夏か、カルネヴァーレですかね。
最後に、使ったお金を大雑把にまとめます。
ホテルチャージ…3ユーロ
鐘楼…8ユーロ
ボーヴォロ階段…5ユーロ
ムラーノ島での食事(ピザとコーラ)…4.5ユーロ
お土産のガラス…116ユーロ(28*3+22+10)
ド・スパーデでの食事…22ユーロ
不幸の石近くのカフェ(ティラミスとカフェラテ)…8ユーロ
アルセナーレ近くのバーカロ(スプリッツ)…3ユーロ
最後に寄ったバーカロ(プロセッコとチケッティ)…6ユーロ
駅前で飲んだホットワイン…2.5ユーロ
二日目合計…178ユーロ
一日目との合算……246ユーロ(自分で計算して驚いてます)
次回の僕の旅行、ひいては他の方のARIA聖地巡礼に役立てばいいなという感じの、かるーい旅まとめでした。