その 夢に見た水の都は…(part1)
大学の卒業旅行、初めての海外、夢にまで見た実際のヴェネツィア。
今回は東京→ヴェネツィア→ドブロブニク→ザグレブ→東京というルート(トランジットのためにドーハにも寄りました)を辿り、非常に濃密な時間を過ごさせていただきました。まずは旅行会社とのやり取りをすべてやっていただいた幹事長に感謝を述べてから、ブログの主旨であるヴェネツィア旅行記を書き始めようと思います。
1.出発前からローマ広場まで
初めての海外旅行ということもあり、多々戸惑うことがありました。まず池袋でパスポートを作るところからスタート。サンシャインシティの中にあるセンターで作成しました。パスポートに必要な写真も、センター併設の写真屋で撮影可能。
受け取りまでは一週間、料金は1万円ほどかかりました。
結果的にあまり使わなかったけれど、クレジットカードも初めて作りました。ヴェネツィアでクレカを切るタイミングがあるとすれば、リストランテでの食事、ムラーノやサン=マルコ広場周辺でのお土産購入のタイミングくらいでしょうか。
したはいいものの、カタール航空の設備が良かったので使わなかったものも多々…。
買ったものとコメントをそれぞれ。
☆C型コンセント(300円くらい)……必須。ないと充電ができません。
☆折り畳み傘(3000円くらい)……なかったので。むちゃくちゃ使いました。
☆アイマスク(1000円弱)……旅行では使いませんでした。むしろ家で使ってる。
☆耳栓(700円くらい)……使いませんでした。
☆携帯まくら(2500円くらい)……カタール航空の座席に枕がついていたので使いませんでした。
☆衣類圧縮袋L用(1000円弱?)……8日の行程で、下着と靴下を毎日分ビニール袋で管理、ズボンと上着は2日に1着分しか持っていかなかったうえ、スーツケースが大きかったので使いませんでした。けど、スーツケースを小さいものでまとめるのであれば、必要だと思います。
☆ダイヤル式の鍵(1500円くらい)……セキュリティ対策に、と思って買ったものの完全にゴツいアクセサリーになりました。夏やカーニバルの時期に行くならここらへんの対策も必要かも。
☆セキュリティポーチ(2000円くらい)……なんのために色々買ったの? ってくらいここまで買ったものを何も使ってませんが、安心してください。これも使ってません。
<持って行った本たち>
☆地球の歩き方 ヴェネツィアと湖水地方編……事前勉強として読み込みました。しかし所々情報が古く曖昧。ガラス美術館の情報や、レストランの営業時間など。
Amazon.co.jp: A11 地球の歩き方 ミラノ、ヴェネツィア 2015: 地球の歩き方編集室: 本
☆ヴェネツィア 増補改訂版 (地球の歩き方GEM STONE)……某ヴェネツィア旅行動画の投稿者の方にオススメいただいた本。カフェ・バーカロの情報が満載で、単純なヴェネツィアの読み物としても面白いです。今回の旅行は主にこれを参考にしました。
Amazon.co.jp: ヴェネツィア 増補改訂版 (地球の歩き方GEM STONE): 篠 利幸: 本
☆旅の指さし会話帳mini イタリア語……事前にイタリア語を少し勉強したし、というかほぼ英語が通じたし、回りたい場所の位置はすべて把握していたので、結局使うことはありませんでした。
Amazon.co.jp: 旅の指さし会話帳 miniイタリア [イタリア語] (旅の指さし会話帳mini): 堀込 玲: 本
(この他にボドゲを3種類持っていきましたが、関係ないので省略します)
銀行で円をユーロに替えました。
一応、5万円分をユーロに。レートとしては現地で替えた方がいい説もありますが、スケジュールがタイトな場合や、確実性を求める場合は日本で替えた方がよい。各自の判断にゆだねる、という感じです。
クレジットカードは二種類用意するのがベター(それぞれ使える店、使えない店があるため)だそうですが、前述の通り、体感でクレカの使用タイミングが少なかったのでVISAで一枚持っておけばよさそうでした。
結果として「3万円、380ユーロ、クレカ1枚」体制でした。
ドーハで乗り継いで、マルコ・ポーロ空港へ。
飛行機でマルコ・ポーロ国際空港へ着陸する際にヴェネツィア本島が見え、「いま、1期1話の灯里と同じ景色を見てる!」とテンションがあがりました。
そして到着。
EUの国籍を持っている人とそうでない人にゲートが分かれ、後者は長蛇の列……。シーズンではないとはいえ、出口はやはり詰まりますね。
空港の出口付近でATVO社のバスのチケットを8ユーロで購入。
外貨両替所もそこらへんにありました。
<バス会社について>
バス会社については、ACTV社とATVO社の2パターンがあります。今回僕はATVO社を利用しましたが、理由はただ一つ「スーツケースをトランクに入れられるから」。12人の大所帯だったということもあり、即決でした。
ちなみにACTV社のバスを使う場合、「ヴェネツィアユニカ」というカードを作る選択肢が生まれます。
バス停はいくつもあり、しっかりと乗る場所を確認する必要がありますが、近くの人にチケットを見せて訊けば教えてくれます。
<ヴェネツィアユニカについて>
この流れでユニカについて説明します。ヴェネツィアユニカとは、自分の旅行プランに合わせて様々なサービスを組み合わせて作る観光用カードです。
そのサービスには、たとえばヴェネツィアの足である水上バスが一日無料になるもの、様々な美術館に無料で入場できるもの、公衆トイレを無料で利用できるもの、店でディスカウントを受けられるものなど無数にあり、その中からカスタマイズできます。
ネットで自分の情報を登録し、サービスを組み合わせてデータのユニカを作ったあと、空港や各所にある窓口で実物のカードと交換する形になりますね。
(ちなみに言っておくと、ARIAの聖地巡礼であればユニカは必要ありません)。
ユニカ一枚を持っていれば、水上バスに乗れ、美術館に入れて、カフェで割引してもらえるなど、使いようによっては非常に便利なものです。
↑公式サイト。
さすが観光都市ヴェネツィア、といった感じですね。
2.ローマ広場から一日目
なんだかめちゃめちゃ長くなったので、二日目は別の記事に分けます。
空港発のバスに乗って揺られること20分ほど、最後は海の上を走って本島へと乗り込みます。自動車はローマ広場と呼ばれる場所までしか乗り入れることができず、僕らはここで下ろされることになります。
広場から橋を渡ってサンタ=ルチア駅へ、そのままスカルツィ橋へ向かい、橋近くの路地を左折、直進してホテルに到着。出発前にGoogle Mapのストリートビューで散々見ていたので、迷うことはありませんでした。
チェックインを済ませ、シャワーを浴びたら一日目の探索を開始。
その前に、フロントの方に言ってレストランを予約してもらいました。
その名も「Ai assasini」。直訳で『暗殺者』。なんだか怖い名前(立地も実際めちゃくちゃ暗いところにあった)ですが、前述の本でもオススメされていて、色々なサイトでも評判が高かったのでここに決定。
「Mi so ra prenotazione?」と言って本を見せたら電話してくれた。
チップとして2ユーロあげました(バス券を買った時のお釣り)。
さて、時刻は夕方の4時。
スカルツィ橋を渡り、リアルト橋を目指します。リアルト橋といえば、3期の12話で灯里のプリマ昇格試験の際に暁とウッディーがエールを送った場所ですね。
地図は一切見なかったのですが、所々にある「per Rialto」の表示を辿って行ったら着けました。迷子になるのもヴェネツィアの醍醐味、と割り切ってスタスタ歩いたのもありますが、方向音痴で迷子癖のある僕でさえもすんなり到着することができて驚きました。
そこで一度解散して、レストラン組はサン=マルコ広場へ。
夕食まで結構時間があったので、途中にある「Cafe time marchini」で軽く甘いものを。
ついでに……学んだイタリア語を使うチャンス! と思って飛び込んで、エスプレッソと、チョコレートのタルトを注文。
イタリア語、通じた! お店のおばさんが褒めてくれたのもあって、とても嬉しかったですね。嬉しさついでにプロセッコを注文しました。
プロセッコとは、イタリアで飲める発泡性の白ワインです。飲み口も後味もさわやかで、食前の準備運動としては最適でした。僕はお酒が弱いのですが、プロセッコはぜんぶ飲んでも酔わなかったです。それほど度数も高くないものと思われます。
本当に美味しかった。どれくらい美味しかったかと言うと、クロアチアでわざわざイタリアのプロセッコを飲めるお店を探して飲んだくらい美味しかったです。
おばさんがプロセッコにおつまみをサービスして出してくれたのも、なんかもう感激でした。これから夕飯だけど。タルトと酒とおつまみをお腹にいれて、元気になったところで改めてサン=マルコ広場へ出発。
そして到着。
かつてナポレオンが「世界で一番美しい広場」と言ったこの場所は、やはり素晴らしかったです。鐘楼が高くそびえ、宮殿が堂々と建っている。オフシーズンで人のいない広場に電気がつくと、雨に濡れた広場が光を反射して、暖かい空間が広がりました。
僕たちが広場をちょうどぼんやり見ていた時に点灯したので、まさにヴェネツィアがくれた奇跡! と思いました。恥ずかしい台詞禁止。
広場から小広場、そこからスキアヴォーニ河岸へ出て、ため息の橋を見てからホテル・ダニエリの前を通過。ARIAカンパニーのある場所へと向かいます。
1期2話ではここで灯里が雨宿りをしていて、ダニエリ(姫屋)の窓から藍華が声をかけたんだなあ……と感動。むちゃくちゃ寒かったけど。
そこから河岸を歩きつつ、レストランのある「Calle de assasini」を目指しました。
どれくらい歩いたかな……。
普通に迷子になりました。
フェニーチェ劇場の近くでギャラリーを開いている男性に声をかけて、アッサシーニの場所を訊くと、親切に教えてくれました。ありがとうギャラリーの人!
そのカッレは、2期2話「その 宝物をさがして…」で「殺人カッレ」として出てくる場所です。たしかに殺人がいつ起きてもおかしくないような暗い場所でした。
ただ、そのレストランのオーナーはとても気さくな人で、僕らが注文を戸惑っていても色々と説明してくれ、パスタを個別に頼むのではなく、全員で何皿か大皿で注文し、シェアすることを提案してくれました(店側にとってもwin-winだっただろうし)。
おすすめの白ワイン、めちゃくちゃ美味しかった。
さっきのプロセッコとは違って、フルーティで優しい飲み口でした。
パスタを何種類か、肉団子、モッツァレラチーズとトマトを注文しましたが、個人的にはチーズが一番美味しかったですね。日本で食べる安いものとは違い、噛むときにキュッキュという嫌な食感はせず、濃厚なチーズの味が溶けるように広がる。トマトの水気と、ワインの重さに合う、最高のチーズだったと思います。
そして驚愕したのはお会計。全員かなり満腹になった、これは一人25ユーロくらいいくだろう……と思ったら18ユーロ。本当かよ、とレシートをもらって確認しましたが、やっぱり18ユーロ。安すぎます。ヴェネツィアのオステリアで普通に食事しようと思ったら3、40くらいは覚悟していたので、良い意味で意表を突かれました。
さて、その後女の子たちとはリアルト橋で別れ、男子3人で魚市場近くのバーカロへ。
スプリッツは、アペロールというお酒を使った微炭酸のカクテルです。カットしたオレンジやオリーブの実に赤い色がかわいいお酒で、甘すぎず、飲みやすい。
基本的にどこのバーカロでも飲めて、安定して美味しいのでお気に入りです。
グラッパは、ワインにする際のブドウの皮を蒸留したお酒で、かなりアルコールの匂いがきつかったです。というか、僕はスプリッツとグラッパを勘違いしていて、スプリッツが来るものだと思ったらグラッパが来たので慌てて「あそこの女の子が飲んでるカラフルなやつをくれ」と注文しなおしました(どっちも飲んだけど)。
独特な形のグラスにストレートで注がれ、4、50度ほどありましたが、なんとかちまちまと飲みきりました。今度はちゃんと「グラッパを飲むぞ!」という覚悟を持ったうえで飲みたいです。
雨脚も強まってきたのと、さすがに飛行機乗り継いでの行動一日目は疲れたので、ここで退散。帰りに酒屋さんでベリーニの小瓶を買って、ホテルで飲みました。
ベリーニは、赤ワインを桃のジュースで割ったお酒で、見た目にも可愛く、甘くて女の子に人気らしいです。アルコール度数もそこまで高くないので、グラッパのせいでふらふらになっていましたが美味しくいただけました。
友だちはぶっ倒れて即就寝していたので、僕も翌日に向けて体力を回復することに。
11時くらいには寝ていたんじゃないでしょうか。
一日目はこれで終了。
大雑把な予算を書いておこうと思います。
ATVO社バス…8ユーロ
水上バス一日券…20ユーロ
予約チップ…2ユーロ
エスプレッソ、タルト、プロセッコ(マルキーニ)…10ユーロ
アッサシーニ…18ユーロ
ベリーニ…3.5ユーロ
計…69.5ユーロ
正直「なんだ!全然使わねえじゃん!」と思いました。
翌日はいよいよ本格的にARIAの聖地をガンガン巡っていきます。
part2へと続きます。